キャリア決済現金化
いまの時代、スマホを持っていない方はほぼいないかと思います。そしてスマホを持つにあたり、誰しもが「キャリア」と呼ばれる通信事業者と契約を結んでいるはずです。キャリアとは、もともと「運ぶ者」という意味から取られているようです。つまり、顧客にデータを運ぶことから、そう呼ばれているわけですね。
ひと昔前であればdocomo、softbank、auの3強で、ほぼすべての人がこの3社のいずれかを利用していましたが、最近ではmineoや楽天モバイル、LINEモバイルといった多くの格安SIM業者が参入し、熾烈な顧客獲得争いを繰り広げています。
少し話が逸れましたが、これらキャリアとの契約を結ぶと、通信料の支払いが発生しますよね?そして、その支払いは毎月ごとになるかと思います。どうやらこの毎月のキャリア決済の枠内で、現金化が可能らしいのですが、それは一体どういった仕組みなのでしょうか?詳しく見ていきたいと思います。
キャリア決済現金化とは

現金化をする方法はいくつかあります。クレジットカード現金化もその一つです。しかしクレジットカード現金化をするにはショッピング枠の残高がある程度必要となります。仮にこの残高がもうない、もしくはカードの利用自体が停止している、自分名義のカードを持っていないなどといった場合には諦めるしかないのでしょうか?
そんな困った状況で最後の奥の手として使えるかもしれないのが、このキャリア決済現金化です。結論から言っておけば、最後の奥の手と言われるだけあり、決しておすすめできるものではありません。
具体的な内容としては、現金化した分の支払いを、スマホの利用料と一緒に翌月請求されるようにできる、というもの。つまり、支払いを先延ばしにできるわけです。その点においては、クレジットカード現金化と同じですね。
ここでは大手キャリア3社を例に挙げますが、
docomo→ドコモ払い
softbank→ソフトバンクまとめて払い
au→auかんたん払い
といった具合で、後払い(スマホ料金とまとめた翌月の支払いにできる仕組み)機能が元々備わっています。
これを使って換金性の高い商品(主にiTunesカード)を購入し、現金化するというわけです。自分自身でやることも可能ですが、キャリア決済現金化を取り扱っている専門の業者がいるので、万が一利用するのであれば任せた方が無難でしょう。
限度額がある

3社それぞれの規定によって細かい振り分けは異なりますが、いずれも最高で10万円までと限度額は決まっているようです。つまり、仮に毎月のスマホ料金が1万円だとするならば、現金化に利用できる枠は残りの9万円まで、ということになります。
そして、現金化をする際には必ず換金率ギャップと手数料が発生するため、実際に手にすることができる現金は最大でも6万円あるかないか、といったところでしょう。
これ以上のまとまった金額が必要な際には、別の方法を考える必要があります。
キャリア決済現金化のリスク

キャリア決済現金化が理屈上可能であることはご理解いただけたかと思います。これは違法行為ではありませんし、実際に利用している人がいるのも事実です。
しかし、この現金化行為は各キャリア会社の規約で明確に禁止されています。つまり、現金化行為が発覚すれば、違法として摘発されることはないものの、キャリア決済の利用停止や最悪の場合、スマホ契約の強制解除といった処分を受ける可能性もあるということです。
もしもこのような処分を受けた場合、その記録は間違いなく信用情報機関にも残ります。つまりブラックリスト入りとなり、その後新たなスマホ契約も難しくなる可能性がある、ということを覚えておきましょう。
換金率
キャリア決済現金化を取り扱っている業者は一応存在します。しかしそれらの業者はいずれもかなり換金率が低いと言われています。
これはおそらくキャリア決済現金化が、クレジットカード現金化すらも利用できなくなるほど切羽詰まっている人に利用される傾向にあるため、業者も足元を見ているところがあるのかと思われます。
手数料を含めた最終的な換金率はおおよそ60~70%前後と言われています。仮に10万円の枠の内、1万円をスマホ代、残りの9万円を現金化したとして、手元に残るのは多くて6万円ほど。現金化を利用した瞬間に3万円ほど損してしまうことになります。
このような劣悪な条件を飲んでまで利用するかどうか、いくら困った状況だとしてもその答えは明白でしょう。
クレジットカード現金化との優劣
これについてはもはや比較する必要すらないでしょう。実際にクレジットカード現金化とキャリア決済現金化の双方を選択できる状況にあるならば、ほぼ全員がクレジットカード現金化を選択しています。
その最大の理由は換金率の違いにあります。20%かそれ以上の差があるのに、敢えて換金率の低い方を選ぶ人はまずいないでしょう。
その他にも、規約違反の発覚がブラックリスト入りにまで直結するリスクがある点も要注意です。リスクに見合ったリターンが得られない以上、キャリア決済現金化の利用は避けるべきでしょう。